『棺担ぎのクロ。?懐中旅話? 』(ひつぎかつぎのくろ かいちゅうたびのわ)は、きゆづきさとこ作による4コマ漫画作品。芳文社『まんがタイムきらら』に連載されている。
基本的に1話完結(2話にまたがる事もある)のストーリー4コマ。2007年7月25日にはジェネオンエンタテインメントよりドラマCDが発売された。
作品の雰囲気を醸し出すためか、コマの周りが全て黒く塗られている。また、単行本の表紙はファンタジー小説に見られるデザインになっているのが特徴。
身の丈ほどもある棺を背負い、相棒の人語を話す蝙蝠「セン」と共に「魔女」を探して旅をする主人公「クロ」。突然いなくなった「はかせ」を探すため、クロと共に旅に出る、双子の「ニジュク」と「サンジュ」。奇妙な運命で結ばれた4人の旅が、優しく丁寧に描かれていく。
※キャストはドラマCDのもの
クロ(声:高山みなみ)
主人公。全身真っ黒の服装に、身の丈ほどもある
先物取引
を背負う旅人。少年のような容姿だが女性。
「クロ」という名は、双子に初めて出会った時に便宜上名乗った名前。本名は別にある模様で、ゼンマイ丘の魔女曰く、「可愛い名前」。幼少時の頃からセンとともに「魔女」を探して旅をしている。
現在の姿は誰かに無理矢理変化させられたものらしく、その事について苦悩し、人を遠ざけようとする傾向がある。
肌のあちこちに黒い染みのようなものが取り付いており、それが肉体を序々に侵食している。全身黒づくめの服装は素肌を隠して染みを目立たなくさせる意味もあるようだ。
セン(声:津久井教生)
クロの相方の蝙蝠。人間の言葉を喋る。女好きで酒好き。クロが幼少の頃から近しい存在。
元は人間の身体だったが、何者か(恐らくクロが探している魔女)によって千匹の
FX
に分割されたらしい。蝙蝠のうち一匹はいつもクロとともにいるが、残りはたいていはクロの担ぐ棺桶の中にいる。
「セン」という名も本名かどうかも不明。幼少時のクロは彼のことを「センセイ」と呼んでいたのでそこから取られたあだ名の可能性もある。
一年に一度、赤紫の月の日だけ呪いが解け、人間の姿に戻れる。
ニジュク(声:徳永愛)
クロがとある家の地下で出会った双子の姉。「29番」に由来する。
猫の耳と尻尾を持つ以外は、一見普通の人間の子ども。肩までの短い髪。
隠秘学の博士の家の地下室で、「はかせ」の「これからしばらく あぶないことあるから」「あんぜんな ここにいて まっていなさい」という命令に従い、檻の中にサンジュと隠れていた所をクロに発見される。
突然いなくなった「はかせ」を探す為に、クロの旅に同行する。幼すぎる為か、「死」という概念を認識出来ていない。
自分たちの事を「はかせ」の「じっけんたい」と名乗る。博士に付与されたらしい、いくつかの特殊能力を有する。
あらゆるものから「色を貰う」ことが出来、また、その色を他のものに移すことも出来る。その力を使ってクロの「黒」を緑色に変えようとした際に、逆に全身が真っ黒に染まってしまい、それを洗い流した後も耳と尻尾が黒に染まったままになっている。
耳と尻尾の代わりに片翼の翼(右翼)を出すことが出来る(この翼も黒く染まっているが、クロの「黒」によるものかは不明)。サンジュと協力することによって、短距離の飛行なら可能。片方の翼しか与えられなかったことについてクロは、「はかせ」が二人が外に飛び立ってしまうのを恐れたためではないか、と推測している。
舌ったらずで、「〜ちゃん」の「ん」の部分が発音できない。泣き虫。しかし事あるごとにお姉さんぶる。
サンジュ(声:野中藍)
クロがとある家の
不動産
で出会った双子の妹。「30番」に由来する。
こちらも猫の耳と尻尾、そしてニジュクと同様の特殊能力を有する。
耳と尻尾の代わりに片翼の翼(左翼)を出すことが出来る。長い髪を結っている。
ニジュクと共にクロの旅に同行する。
ニジュクよりも自我の発達が早いらしく、反抗的な態度を取る事もある。
イーダ
宿屋の娘。クロを吸血鬼と勘違いする。
ノエル
森の中で迷子になった所を、クロに助けられた少女。クロとセンに驚き、二度も気絶してしまう。
ゼンマイ丘の魔女
ゼンマイの丘の上に住んでいる女性。街の宗教とは異なる自然宗教(ペイガニズム)を崇める呪い師の家系に連なっているため、街の住民にいつの間にか「魔女」と呼ばれ恐れられていた。
実際には、おっとりとした優しげな雰囲気の普通のお姉さんで、立ち寄った旅人達を泊めて料理を振舞ったりする、世話好きな人物である。また、自然宗教と関係する薬草学や民間療法に造詣が深い。
物事の本質を見抜く力があるらしく、クロの事を「無理矢理黒色に染められたように見える」と指摘する。
クロが追っている「魔女」とは別人。
はかせ
双子を地下室に匿っていた人物。保護者的役割でもあったらしい。
クロが屋敷の中に入った時には、既に何者か(恐らく実験体の生物)によって殺害された後で、既に白骨死体と化していた。
ケイ
道端で軍用バイクと共に行き倒れになっていた青年。自称「風来坊」。
アコーディオンの演奏が得意で、双子にダンスをさせたりクロを歌わせたりと様々な方法で金を稼ごうとする、ちゃっかりした人物。
元々は名前を持たず、「ケイ」 というのは適当に付けられた名前(自称)。文盲。
チョウ
飛行機で輸送屋をしている飛行士の女性。祖父も飛行士をしていた。以前、飛行機の訓練をしていた頃に、たまたま街でクロ達と知り合いになる。
魔女の家の近くの森に墜落したのをきっかけにケイたちとも知り合った。
ほら吹き男爵
とある街の屋敷に一人で住む偏屈な老人。
FX
を吐く様にホラを吹く事で知られているが、それなりに街の人には慕われている。
かつて双子の娘を失ったという事から、双子の姉妹に強い執着を抱いており、クロと共にやって来たニジュクとサンジュを養子にしたいとまで申し出た。
旅人
少し昔、クロが旅の
FX
で出会った人物。人間ではなく、犬に近い獣人のような風貌。クロに自分の帽子を託した人物。
たいした荷物も持たずに旅をする謎の旅人。行く先々で困った人々を助けたりするため、人から慕われるタイプ。しかし、本人は人付き合いを好んでおらず(人間嫌い)、そのため一ヶ所に留まらずに気の向くままに流れるような旅をしている。
即興で作り話をするのが得意。
王女
カボチャが良く獲れる、とある国の王女。わがままな性格で、子供の頃から異国の旅人達を捕まえては、自分が主人公の作り話をさせて楽しんでいた。
作り話が面白ければ莫大な褒美を国庫から気前良く放出するが、面白くなかった時は容赦なく断頭台に旅人を送り込むため、民からは恐れられている。
彼女の物語は、捕まえられた旅人達が、ありとあらゆるシチュエーションを捻り出してストーリーを繋げて来たので、もはや新しい展開が全く思い付かない程の大長編に成り果てている。
モー
とある村の村長の娘。わがままで、気に入らないことがあるとすぐに蹴りを入れる。長い髪が自慢。
クロに出会ってすぐの頃には、クロと旅に出るのも良いかもしれないと考えていた。
魔女に「自分を魔女にしてほしい」と願い、モーの肌には黒い染みのようなものが取り付いた。それは洗っても取れず、彼女に触れた(?)人々は次々と倒れ、ついに村を全滅に導いてしまう。クロとセンが村に訪れた頃には、染みに顔の半分(おそらく身体全体も)を侵食され、黒くなった身体の一部は脆くなって腐敗もしくは壊死していたようである。モーによれば、染みになった部分は時折本人の意思に逆らう様な動きをする事があるらしく、彼女はこれを病気だと思っていたので「発作」だと解釈していた。黒い染みが拡がる際には、精神にも影響があり、心が「真っ黒になったまま元に戻らない」ような感覚と、際限無く大きくなる不安感があり、更には自分が自分でない何かに変質していく未知の恐怖を伴う。その最期は、クロの旅に大きな影響を与えた。真っ黒な影の塊のようなものが女性の姿を象っている存在。「“あなたみたいな”魔女になりたい」というモーの無邪気な願いを聞き入れる。クロの追っている魔女と同一の存在かどうかは不明であり、何時何処に現れるのかも不明。
『羊のうた』(ひつじのうた)は、冬目景作の漫画作品。月刊漫画雑誌『コミックバーガー』1996年1月号から、『コミックバーズ』2002年11月号に連載された。全7巻。
冬目景作品では珍しくメディアミックス展開がされたものであり、実写映画、OVA、ドラマCDも制作されている。なお、タイトルは中原中也の「羊の歌」に由来する。
幼い頃に母親を亡くした高城一砂は、父親の友人である江田夫妻に預けられた。それ以来、一砂は父親に会うことなく江田夫妻の下で育ち、高校生になった今では正式に江田夫妻の養子になるという話も出ている。小さい頃の夢をよく見るようになったことを除けば、一砂は特に変わりばえのないごく普通の高校生活を送っていた。
そんなある日、一砂は同級生の八重樫葉の腕についた血を見て、奇妙な感覚に襲われる。そして、その感覚に導かれるようにかつて両親と暮らしていた家を訪れ、実の姉である高城千砂と再会する。
そこで一砂は父の死を告げられ、高城家の「病」の事を聞かされる。その病とは吸血鬼のように発作的に他人の血が欲しくなり、理性をなくして他人を襲うという奇病であり、千砂自身もその病に冒されていた。この病は一砂にも発病する可能性があるが、男子は発病する確率が低い為、志砂により江田夫妻のもとに預けられていたのだという。
だが、既に一砂は発病していることを感じていた。一砂は再び千砂のもとに訪れ、そのことを打ち明ける。千砂は一砂に発作止めの薬を渡すが、変化を認めることを恐れる一砂は発作止めの薬を飲もうとしない。それを見た千砂は、自らの手首を傷つけ一砂に血を与える。
同じ病に苦しみ、自殺した父の面影を追い求め他人を遠ざけて生きる千砂と、大切な人たちを守るため他人を遠ざけようとする一砂。 やがて2人は寄り添うように2人暮らしを始める…